「女性活躍」や「えるぼし」という言葉を耳にしても、具体的にどのような制度なのか、詳しく知らない方もいるのではないでしょうか。「女性活躍 えるぼし」は、企業が女性の能力を発揮できる職場環境を整え、その取り組みを社外に示すうえで知っておきたいテーマです。えるぼし認定は、女性活躍推進法に基づき、女性の採用や継続就業、管理職への登用などに関する取り組みが一定の基準を満たした企業を認定する制度です。この記事では、えるぼし認定の概要や評価項目、取得するメリット、申請に向けた準備について解説します。
えるぼし認定とは?女性活躍推進法との関係
えるぼし認定とは、女性活躍推進法に基づいて、女性の活躍に関する取り組みの実施状況が優良な企業を厚生労働大臣が認定する制度です。女性が働き続けやすく、能力や経験を生かしてキャリアを築ける職場づくりを促進することを目的としています。
【厚生労働省】https://jsite.mhlw.go.jp/kagawa-roudoukyoku/content/contents/000952514.pdf
企業は、女性の採用状況や勤続年数、管理職に占める女性の割合などを把握し、課題を分析したうえで、必要な取り組みを進めます。こうした取り組みを計画的に実施し、一定の認定基準を満たすことで、えるぼし認定の取得を目指せます。
女性活躍推進法では、企業規模などに応じて、状況把握や行動計画の策定・届出、情報公表などが求められます。認定取得を目指す企業は、認定基準だけでなく、自社に適用される法令上の義務についても確認することが重要です。
えるぼし認定の評価項目と認定段階
えるぼし認定では、女性の活躍に関する取り組みを複数の観点から評価します。主な評価項目は、採用、継続就業、労働時間などの働き方、管理職比率、多様なキャリアコースの5項目です。
例えば、女性の採用機会が確保されているか、男女の勤続年数に大きな差がないか、長時間労働の改善が進んでいるか、女性管理職が活躍できる環境が整っているかなどが確認されます。評価では、単に女性従業員の人数を増やすだけでなく、継続的に働き、キャリアアップできる環境を整えているかが重要です。
えるぼし認定には、基準を満たした項目数などに応じた複数の認定段階があります。また、より高い水準の取り組みを評価する制度として、プラチナえるぼし認定も設けられています。
なお、2026年4月には、えるぼし認定の一部基準の見直しや、女性の健康支援に取り組む企業を対象とする「えるぼしプラス」などの制度が始まりました。認定要件や申請書類は変更されることがあるため、申請時には厚生労働省の最新情報を確認しましょう。
女性活躍推進でえるぼし認定を取得するメリット
えるぼし認定を取得するメリットの一つは、女性が活躍できる職場づくりに取り組んでいることを、社外に分かりやすく伝えられる点です。採用活動では、応募者が企業を選ぶ際の判断材料となり、働きやすさやキャリア形成を重視する人材に自社の取り組みをアピールできます。
また、認定に向けて社内のデータを分析することで、採用や人材育成、働き方に関する課題を把握しやすくなります。女性の管理職登用や長期的なキャリア形成を妨げている要因を見直すことは、組織全体の働きやすさを改善するきっかけにもなります。
さらに、えるぼし認定企業は、制度上の要件を満たす場合、公共調達における加点評価などの対象となることがあります。ただし、適用条件や評価方法は案件によって異なるため、個別の公募要領を確認する必要があります。
一方、認定を取得すれば自動的に採用力や業績が向上するわけではありません。制度を取得すること自体を目的にするのではなく、従業員が実際に働きやすさを感じられる職場づくりにつなげることが大切です。
えるぼし認定の申請に向けて企業が準備すること
えるぼし認定を目指す企業は、まず女性の採用、継続就業、労働時間、管理職比率などの現状を把握し、自社の課題を整理することから始めましょう。そのうえで、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を適切に策定し、必要な届出や周知、公表などを進めます。
次に、認定基準に関係する実績データを確認し、必要な書類を準備します。基準の判定には、企業の状況や産業別の平均値などが関係するため、古い解説だけで判断せず、最新の認定基準や申請様式を確認することが重要です。
申請先は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。要件の解釈や必要書類に不安がある場合は、申請前に相談すると手続きを進めやすくなります。
女性活躍とえるぼし認定について理解を深めることは、自社の職場環境を見直す第一歩です。認定取得だけをゴールにするのではなく、女性が能力を発揮し、長く働き続けられる環境を継続的に整えていきましょう。


この記事へのコメントはありません。